2015年03月11日

相見積もり(ふけんぎょう編)

 不建業。金融用語です。不建業比率が高いと危ない。というような使い方です。近接していますが、似たような業界かというとそうでもありません。不動産業はあるものを取り扱うのに対し、建設業はものづくりです。

 さて建売や分譲マンションではなく自分で家を建てたいと思えば、住宅展示場に行くというのがメジャーな選択です。これは、まったく別の企業の同じ業者が軒を並べている特殊な携帯です。以前の秋葉原の電気街のようでもありますが、電気街の場合はそこそこの棲み分けがありました。

 豪華な展示場で豪華なカタログをもらい、ノベルティまでもらえます。これを次から次へと行えるので、ユーザーにとってはとても便利で、簡単にいくつもの見積がとれます。そして、展示場一棟あたりの経費は、成約一棟あた300万円とも500万円とも言われています。建設業では、毎年の決算書を都道府県に提出する義務があり、これは消費者保護の観点から一般市民に開示されるので、こういう計算にも信憑性があります。

 ここで誰もが考えるのは、こういった経費を抑えれば、コスト分がユーザーに還元できるということですが、なかなかそういう成功モデルはありません。極論すれば、成約者はそのコストを受け入れても相見積が取りたいということになります。住宅展示場での商社は、これまた1かゼロということになります。

 私がまだ20代のころ、あまり深く考えずに若さに任せて、展示場のモデルハウスを1軒づつ回ったことがあります。たしかに豪華なカタログや豊富なノベルティにテンションが上りました。ただ、そのときに1社だけ経路が違うところがありました。間取り(平面図)を作るのに5万円かかるというのです。「うちは何枚でも書き直します。他所は親切じゃないですよ」というのです。今思えば、若いのでそうそう相手にされないだろうと思ったようですが、本気だったので相手にされなということはありませんでした。当時の私は財布の中に5万円入ってなかったので、帰ってきましたが。次の日に電話がかかってきました。「今日、現地を見にいってきましたが、すぐに図面を作るので5万円持ってきてください」ということでした。不自然さを感じたので、方位や傾斜などを聞いてみましたが答えに詰まりました。嘘をついているのです。今も現存する大手です。今は、この会社も今や5万円という方式をとってないと思いますが、これは、よほどのローコストを謳わないと、そもそもユーザーに相手にされない商法です。この営業マンは、他社に比べてやりにくいと思って、こういう不誠実な方法に走るのですから、他社に移ればいいのです。当時、時代はバブルです。

 住宅の建設は人生の大きなイベントであることは間違いなく、簡単に決めることができないのは当然です。1000万単位の買い物に対して5万円が出せないのかというのは詭弁に過ぎません。しかし、この5万円を惜しんで不本意な契約を結べば誰もがアンハッピーです。ユーザーがリスクを追わない限り、住宅は安くならないのでしょう。みなさんは節度ある相見積を心がけましょう。

あろはぽこ

 
posted by 事務長 at 16:03| 日記